大分県臼杵市にUターン移住してから、3.11が近くなると「避難ルート」と「避難バッグ」の精査がクセになっています。
移住する前に住んでいたのは海無し県・埼玉の狭山市。住んでいたのは駅から徒歩6分のマンションでがけ崩れの心配もなし。揺れで物が落ちてくることと火事の心配だけすればよかったので、随分と気楽な生活だったと思います。
しかし、今住んでいる大分県臼杵市の市街地は海も近く、南海トラフ地震による津波が来たら、間違いなく流されるエリア。しかし、準備とシュミレーションを繰り返すことで大切な命を守ることはきっとできると思います。
今回と次回は、臼杵市街地を移住地に検討している皆さんが安心して移住生活を送れるよう、臼杵市役所の防災危機管理課にご協力いただき、災害避難対策や避難所(*1)と緊急避難場所(⋆2)を取材の上ご紹介いたします。
⋆1避難所:避難生活を送る場所
⋆2緊急避難場所:とりあえずの災害(津波等)を避けるための一時的な逃げ場
臼杵市街地の避難所「福良ヶ丘小学校」
福良ヶ丘小学校は、市街地に近いながらも標高24メートルの高台にあり、「My避難所」第一位の場所です。
My避難所に挙げた理由は以下になります;
①2016年完成の新校舎はまさに避難所を想定した造りで、耐震構造、設備や備蓄も充実
②車中避難も可能な広い校庭がある
では、この避難所の設備等を見て行きましょう。
初見学「マンホールトイレ」とその仕組み
避難生活において精神状態をしっかり保つには、環境が重要です。
東日本大震災の時は、停電の影響で水洗トイレが使用できず、衛生的に劣悪な環境が避難者のストレスを高めたとニュースで何度も見ました。
福良ヶ丘小学校では、マンホールの蓋を開けて、そこをトイレとして使用できる設備も整っています。
マンホールトイレはプールと隣接しており、送水用手押しポンプで水を流し、傾斜をつけてある配管を通じて自然とし尿が下水管へ流れる仕組みになっています↓
この仕組みを考えた人って本当に凄いなぁと思います。
これがあるだけでかなりホッとできるのは私だけではないと思います。
プッシュ型支援が来るまでの備蓄
プッシュ型支援とは、大災害が起きた府県からの要請が無くても、国が避難所避難者へ必要な物資を調達する支援のかたちです。ただし、その支援もすぐに来るわけではないので、地方自治体としては、数日は乗り切れる物資を備蓄しています。
福良ヶ丘小学校にも体育館の裏に備蓄倉庫があり、そのわきには自家発電設備とソーラー発電パネルも設置しています。
倉庫の中にはプライバシーを確保するための段ボール仕切り板が大量にあります。
水や食料、おむつや生理用品なども完備。
備蓄品に関しては、想定避難者数に合わせて毎年精査し、予算を取って追加などもしているそうです。
その他の設備
体育館も避難所の一つとなります。
体育館には災害時無料公衆電話も設置される予定で、入り口には差込口があります↓
取材も終わりに差し掛かった頃、とても美しい風景に出会いました。
もし津波が来た時には、24メートルの高台から眺めるこの穏やかな景色は一変することでしょう。そして、いつかは分かりませんがいずれはその時が来るのだと思います。
そんなことを考えるとかなり落ち込んでしまいますが、とりあえず、この美しい光景を写真に残しておこうと何度もシャッターを切った1日でした。
【番外編】私の避難グッズ~衛生編
毎年避難グッズの精査をしているのですが、水や除菌シートなどの定番品に加え、今年新しく仕入れた避難グッズの一つがコチラ↓
東日本大震災の時、自衛隊の人がお風呂を作ってくれたのが、震災から1か月後位だったと思います。その間頭がかゆくなったりしたら嫌なので買いました。
その他、衛生グッズが以下になります↓
リフレッシュシート(右下)もお風呂に入れないという想定の元、毎年常備しています。 「死ぬまで自分の歯で美味しく食事する」が目標の私にとって、歯の手入れは特に重要視しています。水が使えないかもしれないので、マウスウオッシュ(ミニサイズ)でブラッシングできるように準備。
夏にあったら便利だろうということで、今年新たに加わったのがコレ↓
体も綺麗になるし、蚊もよらなくなる逸品です。
最寄りの避難所生活を想定して避難グッズを毎年精査するのもおすすめです。
そして、一番重要なのは自分の住んでいる場所でどんな自然災害が想定されているのか把握すること。臼杵市の防災マップは是非ご家族でじっくり眺めておいてくださいね。
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