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「雑貨屋」は食べていけるのか?

更新日:2021年9月28日



毎月4本の移住ブログを毎週水曜日に更新していますが、月に5回水曜日があるときは1回をどこかでお休みするようにしています。空いた2週間で精力的に取材を行うときもありますが、今回は2週間ゆっくりさせていただきました。


特に先週末(22日)は2回目のコロナワクチン接種だった為、念のために他の整体や雑貨の仕事もお休みにしていましたが、予想に反して副反応はゼロ。

「年寄りには副反応が少ない」

という周辺の噂のせいで、私は47歳にして年寄りのレッテルを貼られてしまいました。


何も起こらなかった二日間だったので、精力的に今年初の「栗の渋皮煮」にチャレンジ。

いい栗で綺麗に出来ました↓

臼杵の栗相場は1キロ500円と格安!しかも型も立派

こんな感じで自宅に引きこもって活動していたので、今回はこのブログを通じて問い合わせがあった質問に答えてみる回にしようと思います。


時々投げかけられる移住者からの質問

この移住ブログを書き始めて来月で丸3年が経ちます。

「臼杵ってこんなイベントがある町ですよ~。」「こんな移住者の方たちがやってきましたよ~。」「こんな新店がオープンしましたよ~。」と、現在臼杵市への移住を検討している人たちに町の情報や移住に役立つ情報が伝わるように発信していますが、逆に問い合わせ欄から移住に関する質問が投げかけられるときもあります。


コロナ以前であれば、直接お店を見学しに来て質問をしていく方たちもいました。私としてはどちらもウェルカムです。特に「起業したい!」という人たちはこの寂しくなった市街地に活気をもたらす要人となり、移住後は一緒にイベントなどに関わることもあるでしょうから、是非お知り合いになっておきたいと思うくらいです。

移住ツアーでは地元の会社訪問や先輩移住者との交流も(提供:臼杵市役所)

よくある質問はやはり物件がらみですが、なかなか回答が難しい質問もあります。

その一つが

「この町で雑貨屋は食べていけるか?」

というキワドイ質問です。

経済的に自立できるのがやはり移住の第一歩でしょうから、雑貨屋でなくとも起業する場合は「この業種で、何も知らない臼杵でやっていけるのか?」と不安に思われるのは当然だと思います。この質問に対して、ちょっと考えてみようと思います。


人口と立地を考えてみる

臼杵市は大きく分けると旧大野郡野津町(以下、野津)と旧臼杵市(以下、臼杵)が合併した市になります。日々の買い物でこの二つの商圏(車で20分位かかる距離)が重なることはほぼありません。

元々臼杵のほうが人口も多く都会(と敢えて言う)なので、野津の人が野津に無い物を臼杵に買いに来ることがあっても、臼杵の人が野津で買い物をするということはまずないのです。

野津の魅力は今なお残る日本の原風景(野津にある「ナズナカフェ」で)

ここで2021年8月末の人口を比較してみます。


臼杵市総人口 37,108人(内60歳以上17,825人/比率48%)

臼杵 30,033人(同14,018人/比率46.6%)

野津 7,075人(同3,807人/比率53.8%)


市役所に問い合わせると、もっと細かい年代別の人口比率を教えてくれます。起業準備でマーケティングをきちんと行う人は詳細を調査してみるとよいでしょう。


臼杵市民の気質

私が埼玉に住んでいたとき感じたのは「めんどくさいから買う」というタイプの人が都会には多かったという点。しかし私の住んでいた狭山市ということころは農家も多かったため、家庭菜園などしていろいろなものを自作している人も多かったと思います。

映画「となりのトトロ」の舞台になった、おばあちゃんが胡瓜やトウモロコシを栽培しているあの土地が、まさに私の住んでいた狭山市の昔の姿です。


一方我が臼杵市。野津は元々農村ですし、臼杵は商業の町。どちらの人たちもいわゆる「質素倹約タイプ」が多いのではないでしょうか?特に野津はトトロの世界、「買うより作る」です。


臼杵は商業の町なので、新しいものに興味を持つ人たちはたくさんいます。

行列嫌いなのに「パンストリート」などのイベント時には並ぶことを厭わない臼杵市民

新店がオープンしたら、人がわんさか押しかけるのです。私も2019年2月にお店をオープンして8月までは激務続きで

「本当に臼杵市で穏やかな日々をすごせるのか?!」

と思うほど忙殺されましたが、Uターン歴が10年ほど早かった弟が

「半年たてばラクになる」(←ある意味失礼)

と言っていた通り、徐々にお客さんの来店数も緩やかになってきました。


「雑貨屋」は食べていけるのか?

ここで当初の質問に戻ります。

私の雑貨店「ケレシュ雑貨部」は私の趣味から始まったお店で、海外のビンテージ食器を中心に扱っており、世の中の流行は全く無視しています。自分が「カワイイ」「素敵」と思うものがお客さまの趣味やブームとマッチしなければ当然ながらお買い上げは発生しません。しかし、好きな方は3~4か月に一度行う商品の入替に合わせてご来店していただいています。

現在開催中の「THE BLUE」では欧米や日本の青色食器を展示販売

私は他にもいくつか仕事を持っているため、活発に世の中のブームを追って商品を入荷することがどうしてもできないのです。2年に一度の海外買い付け旅行が全てとなります。そこで自分の趣味に合って愛情を注げるものと、今後数十年は廃れることのない素晴らしいデザインであろう雑貨を数々のマーケットから選別して買い付けています。


一方、臼杵市にある他の雑貨屋さんは、オーナーさんのテイストを存分に活かしながら流行も追っていったり、流行を取り入れたハンドメイド作家さんの商品を集めたり、はたまたオーナーさんが商品を手作りしていたり、臼杵市の地もの雑貨を販売するお店もあります。

雑貨屋さんだけで食べていけているお店はたくさんあります。

ドライフラワーが素敵な雑貨店「b-blanket」さん(2019.7取材時の写真)

ハンドメイド作家さんが集まる「輪和話」さん(2019.7取材時の写真)

臼杵のユニークな地もの雑貨を扱う「YUMEYA KAI.」さん(2019.7取材時の写真)

自店のコンセプト、マーケティング、品揃え、お客さんへのアプローチが上手くできれば雑貨屋さんだけでも生活できるのではないでしょうか?オープニングでわんさか人が来るときに、どれだけのお客さんがファンになってくれるか、当然のポイントが勝負になると思います。


余談ですが、臼杵市の雑貨屋さんはどのお店もコンセプトが被っていません。これはとても重要なことで、今後どんな業種で出店する方にも「独自の商品、コンセプト」を持つことで差別化を図っていただければと思います。そうすれば町自体に「色」が増え、住民にとっても観光客にとってもカラフルで楽しい町になると思うのです。


暮らしながら下見する

なんといっても下見は重要です。「立地・環境・人々と触れ合うこと」によって、起業する方には多くのイメージが湧いてくると思います。また前述したように、起業する人なら「被ってるお店が無いか?」など調査することも必要でしょう。 コロナ禍の為現在受付は停止していますが、臼杵市には移住を検討する方が暮らしながら下見をできるように「臼杵おためしハウス」という施設があります。

「うすきおためしハウス」の外観

利用のルールなども含めて、借りる場合には市役所の「協働まちづくりグループ」に問い合わせていただければと思います。


もちろん、下見の際は当店にも気軽にお立ち寄りくださいね。


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