臼杵の城下町は、市民に「町八町(まちはっちょう)」と呼ばれています。
江戸時代から続く町割りで、唐人町(とうじんまち)、新町(しんまち)、浜町(はままち)、横町(よこまち)、掛町(かけまち)、畳屋町(たたみやまち)、本町(ほんまち)、田町(たまち)から成っています。
私は唐人町の出身で、現在は掛町にお店を出していることから、このブログでも八町の何かをテーマに書くことが多いのですが、今回はこの城下町の「軒先」がテーマ。
これを書いている現在も大雨。この梅雨空でも楽しく八町を歩ける、色とりどりの軒先をご紹介します。
「洋酒&ステーキ フレンド」の凄い花々
御年80を超える「洋酒&ステーキ フレンド」のTさんは現役で調理を行いながら、店舗周りに植えた花のお世話にも余念がありません。
季節ごとに色とりどりの花々を植えて手入れを欠かさないので、通りすがりの観光客や、散歩中の奥様方が「これ何の花だろう?」「綺麗に手入れされてるわねえ」と興味津々に眺めたり、撮影する人が多発するスポットになっているのです。
ちなみに、このように綺麗なお花を飾るTさんの店舗前に整体院と雑貨屋を開いてしまった私ですが、怠けるわけにもいかず頑張って花を植えています。しかし当然なら花育ての師匠、Tさんのボリュームと質の高さには全くかないません。「幸せの木さえも腐らせた女」の異名を持つ私にはこれが精いっぱいなのです↓
ご近所さんが「お花を植えてくれてるから通りが明るくなるわぁ。」と励ましてくれるのを心の糧に頑張っています。
最近、Tさんは夏の花「グロリオサ」という見たこともないお花を育てています。
かなり背丈の高くなる花で、朝顔が巻き付くような棒を設置しています。
「来週あたり見頃になるよ」
というTさんのグロリオサは赤と黄色の二色を植えているそうですが、既に赤いほうは咲き始めています。
萎れているように見えますが、これは実は咲き始めで、中には雌しべと雄しべがあります。この赤い花が我々が思う満開の状態になると、アクロバティックに反り返るのです↓
中央にある雌しべは何故か直角に曲がるそう。不思議なフォルムです。
Tさんはこのように面白いフォルムの花も育てているので、新しいプランターが増えると私も興味津々でTさんとお話してしまいます。
いずれにしても、6月末にはフレンドの側壁面が赤と黄色のグロリオサで埋め尽くされると思うので、ご興味のある方は是非見に来てください。
臼杵らしい軒先
私のお店の隣の通りは浜町になり、ここには臼杵を代表する会社の一つ「フンドーキン醤油」の直営ショップ「小手川商店」があります。
こちらのお店の軒先では季節折々のお花がいつもきれいに活けられ、通行人から観光客まで多くの目を楽しませてくれます。
「蔵造の町並みにふさわしく、面白い花器を使っているなあ」と感心するばかり。しかしその花器をよく見ると、どこかで見たことあるような・・・
焼酎の貯蔵甕です! 小手川商店の正面には小手川酒造という造り酒屋があるのですが、元は同じ家系。酒造りの合間に醤油や味噌を作り始め、それがフンドーキン醤油になったのです。
その小手川酒造の貯蔵甕を使ってお花を活けてるなんて素敵。醸造の町・臼杵らしい軒先です。
臼杵らしいけど謎の軒先
「軒先、軒先・・」とブツブツ言いながら自転車を乗り回すこと数日。軒先ばっかり見ているとある発見が。
こちらは創業1600年。九州一古い味噌・醤油屋のカニ醤油の軒先↓
同じく本町にある「ブティックみかわや」の軒先↓
わたしの店の近所の一般住宅↓
そう。結構な割合で餅つき用の臼があるのです。
その中では金魚やメダカが泳いでいたり、花を飾っていたり、オブジェを作っていたり本当に様々です。
カニ醤油の若女将Iちゃんのように「臼杵だからですかねえ」という意見もあれば、ブティックみかわやさんやそのお隣の区長さん前田酒店さんが言うように「意味はない」という意見など様々です。でも前述したフレンドの軒先にも実際に臼があるし、私も現在の店舗に入居した時実は店舗の軒先に臼があったのです。邪魔なので撤去してもらいましたが、今思えば本当に謎です。
今度時間がある時に、「軒先の臼」に臼杵ならではの意味があるのかどうか、ちょっと調べてみようと思います。
散策途中に是非いろいろなお店や住宅の軒先を覗いてみてください。臼杵ならではの風景が見えてくるかもしれません。
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