昨年もこのブログ内で紹介した、妻・日本人、夫・フランス人の国際カップル、リエちゃんとフランソワ君。
彼女たちは臼杵に移住後、今年の夏ゲストハウスを開業すべく10DKの物件を賃貸。昨年の6月からDIY生活に取り組んでいます。
その作業は私なら本当に心が折れるような長い道のり。
「こういう時にパートナーが居るっていうのはいいよねえ」
と独女の私は思ってしまうのですが、リエちゃん曰く
「いえ、結構ケンカになることもあります(笑)」
大きなことを成し遂げようと思うと、山あり谷ありなのです。
今回は、2人が行う「賢いDIY活動」(前編)と、ゲストハウス開業に向けてのクラウドファンディング(後編)について。臼杵への移住を検討している人、DIYをする必要のある方、ゲストハウス開業を目指す方、開業の資金調達に悩んでいる方など、いろいろな方必見の内容です。
DIY進捗状況
昨年9月の取材時からいろいろな部屋が綺麗になっていてビックリしました。そのいくつかをご紹介しましょう。
まず、2階の和室。ここはお茶会なども行える茶室兼ゲストルーム↓
古さが目立つ茶色の繊維壁が気になるお部屋でしたが、簡易漆喰で真っ白な壁にして、柱もダークブラウンにきっちり塗ることで部屋が明るくなりました。グレーの繊維壁は比較的綺麗な状態だったので、このまま使用するそうです。
また、畳も張替え、新しいい草の香りとグリーンカラーでまさに新築のように仕上がっていました。
もう一つびっくりしたのが、1Fにある2部屋の壁をぶち抜いて1部屋になっていたこと。
壁を抜いた時は、竹小舞(土壁を作る時の下地に使う竹)や壁土など驚愕の量の廃棄物が出て「これ全部どうやって廃棄したらいいん!?」と落ち込んだそう。
リエちゃん曰く「今からDIYで壁を抜く予定の方。ごみ処理にはかなりの覚悟が必要です」。
ちなみにこの部屋はフランソワ君が将来的に外国語レッスンを行う場になるのか、イベントスペースにするのか、只今検討中だそうです。
DIY後の明るい部屋を目の当たりにすると、苦労もいい思い出になり、その後は夢が膨らんでくるようです。
大規模DIYに必要な人数はどう集める?
リエちゃんもフランソワ君も当初は仕事もしながら行っていたDIY。リエちゃんが言っていたようにお互いの意見がぶつかったこともしばしば。
やはりDIY初心者の二人が二人だけでこれだけ大規模なDIYを行うと、技術的にもアイデア的にも、時間的にもいっぱいいっぱいになってしまうことは想像に難くありません。
それを解決してきたアイデアが素晴らしく素敵だったので紹介したいと思います。
2人はインスタグラムでDIYの進捗情報を発信しているのですが、その中で
①「〇月〇日、壁をぶち抜きます!壊したい方大募集!」
とか
②「1泊2日DIYワークショップ開催!和室を洋室に」
など、DIYをイベント化しているのです。
どの回でも参加者にほんまもん野菜を使ったご飯を提供したり、打ち上げ飲み会をしたりしてとても楽しそう。②に関しては市内のリフォーム業者さんを講師に、畳からフローリングにする作を中心に、見事に和室→洋室に仕上げていました。
SNSで募集した結果、自宅の改装や起業でDIYを計画されている方や、別府にある「立命館アジア太平洋大学」の学生(日本人はもちろん外国人留学生を含む)が多数参加しました。
これは私の個人的な意見ですが、事業を始めるにあたり、国内外の方々と一緒に店舗となる物件を楽しみながらDIYすると、後々素晴らしい宣伝効果が上がると思います。
臼杵はそもそも伝統的なものから最近のものまで、お祭りやイベントが多い地域で、昨年はユネスコ創造都市ネットワーク(食文化)に加盟しました。アフターコロナにおいて、世界各地から旅行者が観光や食を目的に訪れることになると思います。
これまでお手伝いしてきた国内外の方々の友人や親せきが臼杵に来るとき、「ここ、自分がDIYで改装したんだよ」と利用することもあるでしょうし、その人たちがSNSでさらに拡散するでしょうから、その効果は計り知れません。
「1泊2日DIYワークショップイベント」をレポート
では、そのイベントがどんな感じだったのか見ていきましょう。
1日目の朝。自己紹介後、講師の薬師寺さんから今日の流れを説明。
この日は
①畳を外す
②床の水平度をチェック
④根太(床を支える補強部材)を設置し、歪み部分などを調整
③根太の上に合板(フローリング材の下になるもの)を設置
というところまで行うことに。
茶色い壁と古ぼけた畳の部屋↓これを洋室に変えます!
私は仕事の都合でこの打ち合わせのところまで居て、結局作業には全く関わらず。
「明日はどうなってるんだろう?」
という期待を胸に、実家レストランの手伝いにいそしみました。
2日間で本当に和室が洋室に!
2日目の朝、現場に行くとこの状態↓
床はペイント汚れを考えて最後に行うのが定石だそうです。
部屋の中と外は別々のスリッパを使用し、部屋の外のペンキ汚れを防ぐようにしていたのに、ド素人の私は行った途端同じスリッパで動き回り、床を汚して邪魔。ダメな取材者です。
壁・天井塗に使用したのはこちらのペイント↓
私も開業時に外装部分を塗装したのですが、その時は油性ペイントを使用。しかし匂いが強烈で屋内にまでシンナー臭が充満し頭がクラクラしました。ペイントはぜひ水性で。
フローリング材はホームセンターでよりどりみどりですが、業者さんの残り物を安く譲ってもらうという、TV番組「ビフォーアフター」のような手もあります。今回は薬師寺さんに材料を調達してもらったそうで、市販よりもかなりお安かったそう。
そして最終的に出来上がったのがコチラ↓
凄く明るくなりました。この白壁にフランソワ君がアートを描くのか、宿泊者が自由に壁に作品を描いてもいい「アート部屋」にするのか只今検討中とのこと。
ネットで調べると、このサイズの部屋のリフォームを業者さんに頼むと20~30万円位かかるそうなのですが、臼杵のホームセンターなどで材料を揃えてDIYすると大体10万円以内でできるのだそう。畳を剥がした後に大きなゆがみとかシロアリ被害とかなければDIYをやる価値は大ですよね。
一部屋ずつに思い出が残るDIY
二人のDIYはこの後もしばらく続きます。色々なアイデアと多くの人との交流の中で仕上がっていく自宅兼ゲストハウスには思い出がいっぱいできるに違いありません。完成した後も、これまで手伝ってくれた人たちが集ってきっと賑やかな場所になると思います。
友人の全くいなかった臼杵に移住してきたはずなのに、物件を通じて友人たちが増え、2人の交友範囲はますます広がるばかりのようです。
同時に、ゲストハウス開業に向けての資金集め(クラウドファンディング)を今月から行う予定の二人ですが、こちらについては別の機会に後編としてご紹介したいと思います。お楽しみに。
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