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臼杵八坂神社の「おせったい」と「臼杵祇園祭」

更新日:2023年6月29日


私は町八町(臼杵市街地の商業地区のこと。田町、畳屋町、本町、掛町、横町、浜町、新町、唐人町の八町をさす)の一つである唐人町で生まれ育ったので、まさに八坂神社が氏神神社。生まれたとき、七五三、初詣など、とにかく八坂神社に行きます。加えて毎年7月には八坂神社の例大祭「臼杵祇園祭」が行われ、町八町は4年に1回の順番で大騒ぎとなります。


移住してくる方たちは7月の祇園祭に加え、6月に八坂神社で行われる「おせったい」も知らない方が多数なので、今回はこの2つのイベントについてレポートしたいと思います。

町中に貼られた、謎の「おせったい」告知

町八町に5月、突如として現れた写真の「おせったい」告知。八坂神社で何が行われるというのでしょう?

家族に確認すると「子どもがお菓子をもらえるイベント」らしく、私が子供の時も別の場所でやっていたとのこと。


確かに小学生だったころ、臼杵小学校のプール近くにあるお宅で、毎年夏休みにお菓子を配っていた記憶があります。神社とかお寺とかではない、普通のお宅です。

「プールで泳いだ後にタダでお菓子が貰えるなんて、超ラッキー!」

と感じていましたが、もしかしたらお寺の熱心な檀家さんだったのかもしれません。


ネットで「おせったい」を検索すると、これは大分県内独自のイベントらしく、元は弘法大師の縁日に行われる「接待」で、現在ではお菓子などを配る日になっています。

八坂神社はお寺ではありませんが、この「おせったい」という地域的なイベントを2007年の「八坂神社910年記念大祭」から、例祭日である6/15に行っているそうです。

婦人科系の病にご利益のある粟嶋社のお守りも販売

私の甥も八坂神社でお菓子をいただきました。

下校中にたまたま居合わせたハッピー少年の甥T・12歳

「知らない人からお菓子をもらっちゃダメ!」

と子供に教育する昨今ですが、毎年この日に子どもが神社でお菓子をもらったというときは「おせったい」と理解していただいて間違いありません。

できれば親子で出かけて境内を一巡りすると、臼杵の地域性や八坂神社の歴史なども知ることができ、祇園祭の予習にもなっていいかなぁと思います。

知り合いのMさんもおせったいがてら親子で粟嶋社を参拝

大分三大祇園祭の一つ、「臼杵祇園祭」

2019年以来、4年ぶりに開催される「臼杵祇園祭」。御輿や山車行列が町を練り歩く、400年近くの歴史を持つ熱い祭りです。


毎年7月17日を含む日曜日から土曜日に行われ、日曜日は八坂神社の神様が海添地区にある御旅処(おたびどころ)に行く日(渡御・おわたり)、土曜日は八坂神社に帰る日(還御・おかえり)、となっています。御神輿と共に、臼杵祇園祭の行列には御槍振りの行列や2基の山車も巡行し、神事と町衆が一体となって盛り上がる1週間なのです。

今回は2007年の写真でご紹介します

移住を検討している方がもし町八町に住むことになったら、このお祭りには大人も子どもも大きく関わることになります。


臼杵祇園祭の関わり方

1)子ども山車「纏(まとい)」

まず子どもたちですが、お祭りでは子ども用の山車「纏」が各町あります。

以前のブログでも少し紹介しましたが、元々「纏」は江戸時代に各町にあった火消の旗印。この纏を山車に取り付け、大体小学生未満はこの山車に乗り、小学生以上が引っ張ります。


八坂神社から臼杵高校の正門前まで1キロ以上を引っ張るので、子どもにとってもなかなか疲れるイベントに間違いありません。ただ、終わったらかき氷やソフトクリームなど各町でご褒美を用意しているので、子どもたちも頑張ります。

付き添いの保護者も頑張る「纏」

2)大人の山車「踊山(おどりやま)」

祇園祭ではお囃子を打ち鳴らしながら練り歩く「踊山」と呼ばれる山車が2基あり、八町のうちの二町が4年に1回当番町となります。大体40代以下の成人男性は山車の乗り手か曳き手になります。乗り手は鐘、小太鼓、大太鼓、采(ざい)と役回りがあり、山車の上でお囃子を奏でるのですが、町によって鐘のリズムに少~し違いがあったりします。

6月1日か6月末まで日曜を除く毎日、19時~21時まで練習を行っているので、その違いに耳を傾けてみるのも住民ならではの楽しみです。

鐘の違いもこれだけあるので、音色も全然違う

乗り手は猛暑に加え、提灯で囲まれ熱気ムンムンの山車の上で延々とお囃子をかき鳴らしているので、かなりハイテンションになります。山車上は水分補給をしながらでないと本当に倒れてしまうような暑さなのです。また、曳き手は大きな山車を町中曳き回すので、とにかく体力勝負。私の弟もかつて曳き手になった時は数か月前から走ったり筋トレをしたりと体力づくりをしていました。


踊山に関しては、女性と子ども(16歳未満)は関わることができません。従って、八町の子供たちにとって山車に関わる大人たちは夏のヒーロー。唐人町に住む私の姪や甥たちも、今年は当番町なのでほぼ毎晩お囃子の練習を観に行っています。

6歳の姪にいたっては大きくなっても乗ることはできないのに、それでも小さなフライパンで鐘のお囃子の練習をしています。多分どこの町っ子も夏は同じようになっていると思います。

夜の「出合」。昔は観客がこんなに近寄ることはできなかった

3)御神輿

3基ある御神輿の担ぎ手は八町には関係なく、市内企業の従業員の方々が関わっています。

もし移住してきてお勤め先がその企業だったら、白装束に身を包んだ担ぎ手になるかもしれません。これも体力勝負な上、肩を鍛えておかないとお祭り後文字通り痛い目に合うかもしれません。

この年は外国人の方の担ぎ手も!

4)お槍振り

かつては大名行列の一つだったお槍振り。臼杵の祇園祭で披露されるのは「ナンバ歩き」のお槍振りです。御神輿が通る前に道を清めるこの行列は一見の価値あり。お槍振りは地元の中学生も参加が可能で、こちらも定期練習があります。大きな毛槍を、現代では行われないナンバ歩きで振り回すのですから、見せられる型になるまで相当練習が必要だと思われます。

猛特訓を積み、伝統を引き継ぐ中学生たち

機会があれば思い出づくりのためにもぜひ参加を!

今回は八坂神社が行う6,7月の2のイベントについてご紹介しました。


現在少子化の為、祇園祭は八町の若衆だけでは行えない現実があります。ですので、縁者や各町にある企業の従業員などもお手伝いに来てくれている状況なのです。移住してくる方も八町に住むならもちろんのこと、それ以外の地域に住んでいてももし縁者がいればぜひ各町に問い合わせてみて祇園祭に参加してみてはいかがでしょうか?新しい人間関係ができて、特にお酒が好きな人はすぐに飲み仲間が作れます。


今年の祇園祭のスケジュールは臼杵市観光協会のホームページからどうぞ。


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