前回に続き、福岡ひとり旅。
町並み造りと観光客の呼び込み方など、門司区から学ぶことも多かった前半から、今回はさらに海を渡って山口県・下関市へ突入します!
門司と下関の散策にはぜひレンタサイクルを!
門司と下関をつなぐ道は二つ。5分乗船して船で渡るか、関門海峡を渡るかです。
私はいろいろな場所をサクッと見て回りたいので旅ではいつもレンタサイクル。
今回は電動自転車でしたがこれが大正解!門司と下関をつなぐ海底トンネルまでの坂道もスイスイ行けます。そして関門海峡は自転車を押して徒歩で。たった700メートルくらいの距離なので全く苦になりません。
下関でトンネルから表に出て正面にあるみもすそ川公園から唐戸市場のある下関中心部までは少し距離があるので、ここでも自転車が大活躍してくれました。
夢のデスティネーション「壇之浦」
みもすそ川公園では源義経と平知盛がお出迎え!
2年前に放送されたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、久々に面白い大河だったと思います。佐藤浩市さんが演じた上総広常の最期のシーンとその演技はもはや衝撃に近いものがあり、大河史上に残る名作だったと思います。
そして菅田将暉さん演じる源義経の八艘飛びが観られた「壇ノ浦の戦い」も当然描かれました。高校時代に読んだ平家物語で描かれたこの戦いの最後は私の中に強烈に残っており、安徳天皇の最期は高校生ながらに儚く感じたものです。平氏最後の地には絶対に行ってみたい!と常々思っていて、まさにこの機会に行こうと決めていました。
「壇之浦の戦い」はなぜ壇之浦なのか?
立派な関門橋の下で海峡を眺めているとたくさんの船が行き交います。素晴らしい眺めであると同時に「それにしても近いなぁ」と感じずにはいられないその距離感。聞けば海峡の幅は一番狭いところで600メートル位しかないそうで、門司はまさに目の前なのです。
ふと「なぜ壇之浦の戦いは壇之浦なのか?こんなに近いんだから門司の戦いでもよかったはずなのに」と思ってしまいました。
その由来を考えながら唐戸市場に行く途中、中国風の派手な建物を発見。赤間神宮です。
平家滅亡の折入水した安徳天皇(8歳)の御遺体があがり、地元の人が祀ったことが起源となっています。
なぜ「壇之浦の戦い」なのか?やはり天皇が流れ着いた場所だったからなのかもしれませんが、実際はどうなんでしょうか?知っている方にはぜひコメントいただきたいところです。
この赤間神宮は「竜宮城」を表現しているそうでとにかく派手です。
安徳天皇が入水する前、祖母である二位尼が
「今ぞ知る みもすそ川の 御ながれ 波の下にも みやこありとは」
(帝位を継いでいるあなたですから、この海の下にも都があることがすぐに分かりますよ)
と詠んだ辞世の句やその後の逸話あってこその竜宮城スタイルなのでしょう。
安徳天皇の御稜はもちろん立派なのですが、見ると辛いのが平家一門のお墓です。
源平合戦に敗れ、賊軍となった平氏一門の14基の墓が、生い茂る木々の下の薄暗い場所に並んでいます。
「無念さが残って怨霊となって現れたとしてもおかしくないなぁ」と柄にもなく思ってしまったのは、そのお墓の前にある耳なし芳一像のせいかもしれません。小泉八雲の「耳なし芳一」の物語はまさにここが舞台で、赤間神宮の前身だった阿弥陀寺での出来事として描かれています。
本殿やお墓は気が引けてレンズを向けられませんでしたが、源平合戦に興味を持つ人には必訪スポットです。
ふぐとレトロの住み分け
高校時代からの夢もかなって大満足の赤間神宮を後に、有名な唐戸市場へ。車で来て保冷材もたくさんあれば色々買えたのですが、レンタサイクルでは何も買えません。仕方なく周辺をウロウロサイクリングするとシャッター商店街があります。有名な市場もあって大型バスも停まる観光スポットなのに商店街はうまくいってないようです。とはいえ写真に撮ると絵になる昭和アーケードの佇まいは素敵です。
お昼時に行ったのですが食べ物屋さんが市場の隣の施設にしかなく、下調べせず行き当たりばったりだったのでランチを食べ損ねてしまいました。
一方門司港では町中「焼きカレー」。下調べせずに旅をしても、あれだけカレーの香りと看板で満たされていたら自然と食べてしまうでしょう。下関は言わずと知れたふぐの町ですが、臼杵と違って天然物を扱っている以上やはりシーズンがありますし、庶民にはやはりお高いイメージ。地元色の強いお手軽グルメがあるといいと思うのですが、今回は見つけきれませんでした。
そしてここでも
「あれ?関門海峡のふぐなら『門司のふぐ』でもよくない?」
と謎が・・。
まさに大分の関アジ関サバ論争と同じです。揚がる場所がどこかでブランド名が決まりますが、獲っている海域はほぼ同じエリアなのです。同じふぐならもっと門司でもふぐ料理屋があってもいいのになぁと思うのですが門司ではあまり「ふぐ」という文字を見ることはありませんでした。
そんなことを考えながらウロチョロしていると下関でもレトロ建築を発見!「旧下関英国領事館」です。
また、近所には「旧秋田商会ビル」などヨーロッパを思わせる建築物も。そのお隣はなんと現役の郵便局。瓦葺の和洋折衷建築です。素敵な建物が多々あるのに門司港ほど下関は「レトロ」を謳ってはいません。
「壇之浦とふぐはいただくけど、レトロはそちらでどうぞ」
まさかそんな暗黙の了解はないと思いますが、その位住み分けがきっちりできていました。
臼杵で何を生み育てるか?
グルメや観光スポットなどの住み分けがきっちりとできていた門司港レトロと下関。何でもかんでも二番煎じにすることなく、その地が発祥のものなどを大切に育てている姿勢が勉強になりました。
臼杵にはまだ無い何かや、町の特徴を活かした何かがたくさん町にちりばめられていたらもう少し賑わいが出てくるかもしれません。これから移住して起業しようという方には、ぜひ臼杵で見たことがないお店や事業をやっていただきたいです。そしてできれば商業地区である城下町エリアで!お待ちしています。
*グルメ情報も載せる予定でしたが、文字数の関係で今回は削除させていただきました。また何かの機会でご紹介できればと思います
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