臼杵市の個性豊かな宿泊施設を訪ねる~「御宿料亭 春光園」
- 藤谷 愛
- 24 時間前
- 読了時間: 6分
更新日:9 時間前
今年もアッという前に3月が終わってしまいました。
寒風吹きすさぶ1月。
2,3滴涙がこぼれたキツイ引っ越しに続き、ゲストハウスの営業許可取得という根気のいる書類作業に取り組みながら、臼杵市の観光協会と現在も制作中の「わたしのうすきとりっぷ・泊」のお宿取材も開始。50代としてはなかなかの仕事量をさばいていました。アッという間に3か月が過ぎてしまうわけです。おかげさまで3月中に取材は完了し、あとは編集と校正を残すのみで、久しぶりにちょっとゆっくりできています。
それにしても18歳まで臼杵市で過ごして、帰省するときはもちろん実家に宿泊していたので、「わたしのうすきとりっぷ・泊」で取材をするまで、臼杵の宿泊施設のことなど少しも知りませんでした。唯一、同級生のお宅が「臼杵湯の里」という温泉旅館を経営しており、そこだけ知っているという状況でした。
しかし、今回取材させていただくと、各宿泊施設には個性豊かな特徴があり、施設によってはウリとなる朝食も絶品揃い。詳細はGW前後(だと思われる)に臼杵市観光協会から発行される「わたしのうすきとりっぷ・泊」を見ていただくのがベストですが、そこでは書ききれなかったオモシロ情報を今回のブログで少しご紹介させていただこうと思います。
そのお宿は臼杵市の三大料亭の一つでもある「御宿料亭 春光園」さんです。

満州時代に遡る料亭の歴史
「わたしのうすきとりっぷ・泊」は1枚もののパンフレットになるため、お宿の紹介文は200文字程度。仕方がないとは分かっていても個性ある宿の歴史やオーナーさんのお人柄など詳しいことが書けず悔しい思いをしています。
特に春光園の歴史は現在3代目の料理長兼オーナーである兒玉さんのお祖父さんが、満州で出会った臼杵の人から購入した不動産から始まります。それが現在の建物になるのですが、いろいろとドラマチックなものが詰まっている建物で、とてもじゃありませんが200文字では表現できませんでした。

今に残る江戸時代の武家屋敷
春光園の建物は江戸時代の旧臼杵藩主稲葉家家老の武家屋敷跡で、江戸時代末期に修復が入ったものの、料亭となっている建物自体の改築は行っていないという歴史ある建築物。しかも、その庭は小堀遠州作と言われています。
江戸時代初期に活躍した小堀遠州は、茶・建築・作庭で名を馳せた人で、数々の有名庭園や建築を手掛けています。まだ稲葉家が郡上八幡城から臼杵に移封されて間もない頃に活躍した人で、遠州自身も近江藩主の出ということもあり、距離的に近しい稲葉と小堀に何かしらの繋がりがあって、その家老が作庭してもらったとしてもあり得る話だと思います。
春光園では料亭で使用する大広間を増築する際に少し庭園部分を削った過去があります。その削られた庭園部分の池の話やその広さを伺うと、遠州の庭園の特徴でもある「回遊式」に繋がります。

また戦後の購入時のまま保存されている茶室は庭の景色が絵画のように見える素晴らしい造り。

遠州が手掛けた他の茶室と比べてみても、棚の造りや素材に木や枝をそのまま使用していたりするなど、その特徴が満載なのです。

実はこの小さな茶室、冬季は2名限定でこの場所でお食事ができるのです。
「いつかここで春光園のふぐフルコースを味わってみたい!」
沸々と食への情熱を燃やし仕事に励む日々です。
長年手つかずの財宝ロマン
建築やお庭など、滞在するとその武家屋敷の様式美やふぐ料理をはじめとする料亭の美食を堪能できる春光園ですが、もう一つ意外なものがあります。それが「財宝ロマン」です。
「財宝」なんて言われると、昭和世代としては、全く見つからないのに毎回真剣に観ていた「徳川埋蔵金」を思い浮かべます。しかしこんな身近にそんなロマンが潜んでいるとは、地元なのに知りませんでした。
料亭利用でも宿泊利用でも使用できる広間があり、そこには謎の木札がぶらりと下がっています。
取材時「あれは何だろう?」と軽く感じていましたが女将にインタビューさせていただいた際に
「他の媒体では出てない面白いネタはありませんか?」
と振ってみたところ、
「実はあの木札、財宝の所在が書かれてあるらしいんです。でも全く解明してみようとも思っていないんですけどね。うふふ。」
と軽く答えてくださいました。
子どもの時に徳川埋蔵金、川口探検隊、ムー、冝保愛子など様々な根拠のあるものから全く無いものまで、謎&オカルト情報に没頭していた昭和女子の興味が、五十路になってもむくむくと沸きあがってきました。
「ちょっと写真を撮らせてください」
と木札の写真を撮ったものの、彫られた文字が薄くて何が書かれてあるのかもよく分かりません。でも全て漢字のようにも見えます。漢文で表現されているのでしょうか?

持ち主でさえも完全スルーしている名家の財宝ロマン。春光園に滞在して謎を解いていただける方はいないものでしょうか?そういう方がいらっしゃったら、ぜひ同行取材させていただきたいものです。ご連絡のほどよろしくお願いいたします。
度肝を抜くような朝食も!
料亭から始まった旅館とあって、春光園の朝食は凄く丁寧な仕事が光る逸品ぞろいでした(写真は「うすきとりっぷ・泊」でどうぞ!)お味噌汁の出汁の取り方はやはりしっかりしていて、私も同じ味噌で味噌汁を作っているのに、全く違う味わいにびっくりしました。やはり和食の「出汁は命」というのが料理長の丁寧な仕事でよく分かります。
このような感じで臼杵の宿にはさまざまな個性があり、それぞれに面白い話を聞くことができましたし、度肝を抜かれた朝食もいろいろ。
紹介文200文字にどこまで詰めることができるのかが勝負だった今回の「うすきとりっぷ・泊」。完成したら、ぜひその中身を熟読してくださいね。
そして臼杵市民の方は泊まるチャンスがなかなかないと思いますが、親戚の方やご友人が遊びに来るときにはぜひ臼杵で1泊を!これから臼杵市で移住を検討されている方は、このパンフレットをもとにぜひ数泊していただき、臼杵市での生活の下見や物件探しなどを行ってくださいね。
私もゲストハウスをしていますので、他の宿泊施設のオーナー方と同様、臼杵市を訪れる皆さんを楽しみにお待ちしております。
<関連サイト>
↑「うすきとりっぷ・泊」が完成したらここで告知、配布されます